Artist Statement

何かの渦中にあるときは自分の思いや考えに気がつかなくても、
後から腑に落ちることがあります。
私はそうした言葉にできずにいた感覚を、風景として表現しています。

私は絵を描くとき、時間帯や場所を変えるため、
モチーフの表情も、私の心情も、絵の状態も移り変わります。
混沌とした感覚は多様な色彩になって、整理されないまま絵の中で調和していきます。

私がモチーフと多重の時間を一緒に過ごしてできた色や線は、
絵の完成と共に私の手を離れ、見る人それぞれの解釈を生みます。

絵を見る人の目線が色合いに引き寄せられ、混沌とした絵の中からどのようなイメージが湧き出すのかを、自分にも、相手にも問いかけることが重要だと考えています。